2007.12.10 13:46
リスボンは賑やかすぎてアタシのような静寂を愛するレディにはうんざりするわ。
なんでこんな所に来ちゃったのかしら。
はじめまして、ティーナと申します。

嫌、ダメ。
なにか変な名前が見えてるけど気にしないでちょうだい。
アタシの名前はティーナ。
生まれも育ちもヴェネツィア。
あなたヴェネツィアをご存知?
街中にたくさんの運河が流れ、広場にはきらびやかな大聖堂。
夕陽に抱かれながら橋に座って、下を通るゴンドラを眺めているだけでも飽きないの。
「女王」って呼ばれるのもうなずける華麗な街よ。
アタシにぴったりね。
いえ、違うわ。
ぴったりだった、だわ。
あの時、足を滑らせて噴水に落ちたりしなければアタシは今こんなところにいなかったのに……。
あれは満月の夜のこと。
パーティーの帰りだったわ。
オルセオロ家のアリチェ様が主催する、ヴェネツィアの猫社会の中でも特にハイソサエティな猫だけが参加できるパーティーがあったの。
とっても楽しくてアタシとしたことがうかれすぎてしまったのね。
気付いた時には女の子に抱きかかえられていたわ。
「大丈夫?子猫ちゃん」
彼女そう言って体を拭いてくれた。
今思い出しても腹が立つわ。
小さくたって女は女。
自分の事しか考えない生き物なのよ!
「子猫ちゃん、ご飯よ」
彼女が差し出したお皿にはお肉がのっていたわ。
アタシ、すっかり彼女を信用していたのね。
嗅ぎ慣れた鶏肉のにおいと混じって、知らないにおいがしたのに食べてしまったのよ。
ああ、なんておいしいお肉なのかしら。
とろけるのよ。おいしくて。
体中がとろんとするのよ。
でもね、ある一定の時間を過ぎると強烈な飢えに襲われるの。
あのお肉が食べたくて食べたくて食べたくて食べたくて。
頭の中がお肉でいっぱいになって他のことを考えられなくなるの。
泣き叫ぶアタシに彼女こう言ったわ。
「お肉食べたいの?だったら私の言うとおりにしてね」
彼女と出会った噴水の横で、命令どおりに座っていたわ。
言うとおりにしてるのに、お肉をもらえなくて気が狂いそうだった。
何人かの田舎者が彼女の元にやってきたの。
こそこそと話をしていた。
しばらくして田舎者が嬉しそうに彼女に何かを渡した後、アタシにお肉をくれたわ。
お肉を食べて頭がすっきりした頃気がついたの。
アタシは彼女に売られたんだってね。
あぁ、ヴェネツィア帰りたい。
アタシを買ったのはVikiという貧相な赤毛女。
毎日毎日くだらない話ばっかりアタシに聞かせる。
「ねえねえ、朝青龍。今日ねー、彼氏とねー、サーカムライナーローブごっこしちゃったー。やり方わかる?シャツをこう、まくりあげてね――」
馬鹿じゃないの!?
第一アタシの名前はそんな変な名前じゃないわ。
ティーナっていう可愛らしい名前があるのよ。
それに、オス扱いするのやめてちょうだい。
心はメスよ。
くだらない事ばっかり言ってないで「ペチペチ」とかいう作業に戻りなさいよ。
飽きたの!?
もう飽きたの!?
1日もたってないでしょ!?
これだから赤毛は……。
あら?あなたなんで食品商になってるの?
ご飯がないの?
あら、そう。それは切実ね。って買いなさいよ。馬鹿ね。
アタシ、この先ずっと赤毛のくだらない話を田舎町リスボンで聞いて過ごす事になるのかしら……。
あぁ、ヴェネツィア帰りたい。
サーカムライナーローブごっこが気になった人はポチリ
なんでこんな所に来ちゃったのかしら。
はじめまして、ティーナと申します。

嫌、ダメ。
なにか変な名前が見えてるけど気にしないでちょうだい。
アタシの名前はティーナ。
生まれも育ちもヴェネツィア。
あなたヴェネツィアをご存知?
街中にたくさんの運河が流れ、広場にはきらびやかな大聖堂。
夕陽に抱かれながら橋に座って、下を通るゴンドラを眺めているだけでも飽きないの。
「女王」って呼ばれるのもうなずける華麗な街よ。
アタシにぴったりね。
いえ、違うわ。
ぴったりだった、だわ。
あの時、足を滑らせて噴水に落ちたりしなければアタシは今こんなところにいなかったのに……。
あれは満月の夜のこと。
パーティーの帰りだったわ。
オルセオロ家のアリチェ様が主催する、ヴェネツィアの猫社会の中でも特にハイソサエティな猫だけが参加できるパーティーがあったの。
とっても楽しくてアタシとしたことがうかれすぎてしまったのね。
気付いた時には女の子に抱きかかえられていたわ。
「大丈夫?子猫ちゃん」
彼女そう言って体を拭いてくれた。
今思い出しても腹が立つわ。
小さくたって女は女。
自分の事しか考えない生き物なのよ!
「子猫ちゃん、ご飯よ」
彼女が差し出したお皿にはお肉がのっていたわ。
アタシ、すっかり彼女を信用していたのね。
嗅ぎ慣れた鶏肉のにおいと混じって、知らないにおいがしたのに食べてしまったのよ。
ああ、なんておいしいお肉なのかしら。
とろけるのよ。おいしくて。
体中がとろんとするのよ。
でもね、ある一定の時間を過ぎると強烈な飢えに襲われるの。
あのお肉が食べたくて食べたくて食べたくて食べたくて。
頭の中がお肉でいっぱいになって他のことを考えられなくなるの。
泣き叫ぶアタシに彼女こう言ったわ。
「お肉食べたいの?だったら私の言うとおりにしてね」
彼女と出会った噴水の横で、命令どおりに座っていたわ。
言うとおりにしてるのに、お肉をもらえなくて気が狂いそうだった。
何人かの田舎者が彼女の元にやってきたの。
こそこそと話をしていた。
しばらくして田舎者が嬉しそうに彼女に何かを渡した後、アタシにお肉をくれたわ。
お肉を食べて頭がすっきりした頃気がついたの。
アタシは彼女に売られたんだってね。
あぁ、ヴェネツィア帰りたい。
アタシを買ったのはVikiという貧相な赤毛女。
毎日毎日くだらない話ばっかりアタシに聞かせる。
「ねえねえ、朝青龍。今日ねー、彼氏とねー、サーカムライナーローブごっこしちゃったー。やり方わかる?シャツをこう、まくりあげてね――」
馬鹿じゃないの!?
第一アタシの名前はそんな変な名前じゃないわ。
ティーナっていう可愛らしい名前があるのよ。
それに、オス扱いするのやめてちょうだい。
心はメスよ。
くだらない事ばっかり言ってないで「ペチペチ」とかいう作業に戻りなさいよ。
飽きたの!?
もう飽きたの!?
1日もたってないでしょ!?
これだから赤毛は……。
あら?あなたなんで食品商になってるの?
ご飯がないの?
あら、そう。それは切実ね。って買いなさいよ。馬鹿ね。
アタシ、この先ずっと赤毛のくだらない話を田舎町リスボンで聞いて過ごす事になるのかしら……。
あぁ、ヴェネツィア帰りたい。
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