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2007.11.28 15:37
こんにちは。
予想外にお三方からコメントもらって動揺しているナギです。
蛇に足つけた文は後日書くとして。先に、ケンカを売りたくないロエンさんにお礼とお詫びを。
ロエンさん、好き勝手書いてごめんなさい!なんか色々助かってます!

あとの二人は、まぁいいや。ペッ


と言いつつも、ケンカは売りたいが迷惑はかけたくないので、本編前に一言。

これは架空の能登鯖でのお話です。
また、男同士の恋愛を扱った小説ですので、受け付けない方はそっと目を逸らしてお引き取りください。


それでは、続きを読むからどうぞ。



『海賊島の木の下で』

前編はコチラ


よほど興奮しているのだろうか。
少し近付いただけで会話が丸聞こえになるほど大声でさかポンとロエンは話していた。
「寒くて体が動かなくなったからこっちに来たんだね。やっぱりカエルだあ」
「イヤイヤイヤ、違うですよ。師匠に拉致られただけですよ。だって、我が家には暖炉があるんですよ! わざわざこんな遠くまで来なくても十分あったかいんです!」
「へー」
「うわー、全然興味なさそー。久しぶりに会ったキュートなわたくしになんたる仕打ち! やらないかでバラライカでアッーですよ!」
「意味わかんない」
「おや、わかりませんか? それでは不肖わたくしロエンがめくるめく腐の世界をご説明しようではあ……いたたたたっ」
wくぇtぽうは話に夢中になっているロエンの背後から忍び寄り、頭についた鈴をぎゅっと引っ張った。
「よお、カエル」
「wくぇtぽうさん! そこダメーッ! 痛いです! 痛いんです!!」
「へー」
wくぇtぽうは力を抜いて、今度は鈴を指で軽く撫でチリンチリンと鳴らした。
「うひょー。やめてください、wくぇtぽうさん! それはっ! それはっっ!! ……あぁっ」
「カエルくんのそこって神経通ってるんだ」
さかポンは不思議そうに、ロエンの揺れる鈴を見た。
「通ってるんです!これは肉なのです!」
「肉!?」
さかポンもおもしろがってロエンの鈴のようなものを揺らした。
「ウピャァー」
奇声を発するとロエンは二人の手を払いのけぴょこんとあとずさった。
「なにするんジャー!!!」
ロエンは怒って二人をにらみつけた。
「肉だと言っているのに! 肉なのです! 肉肉肉肉肉肉肉!!!」
ロエンの剣幕にさかポンは一瞬呆気にとられたが、すぐに腹を抱えげらげらと笑った。
「ごめん、カエルくん。おもしろくて、つい」
謝りつつも笑いが止まらない。そればかりかさかポンは、腕を伸ばしさらに鈴のようなものをいじろうとした。
危険を察知したロエンは鈴のようなものを自分でしっかりとガードし、叫んだ。
「ダメです! やるならいっそ右のB地区で!!!」
しばし静寂が訪れた後、さかポンが真剣な顔でロエンにたずねた。
「カエルに乳首ってあるの?」

楽しそうに、興味津々に、ロエンと会話を交わすさかポンの姿にwくぇtぽうは怒りに似たものを感じていた。
――気に入らない。
気に入らないのは得体の知れない生き物のロエンか、そんなロエンと仲良く話すさかポンか。それとも、自分自身か。
――こんなことぐらいで嫉妬するなんて。
二人でいる時には、いや、volianと三人でいる時でさえ見たことのないさかポンの笑顔がショックだった。
さかポンの全てを深く知りつくしていると思っていたのは錯覚だったのだ。
――違う。そうじゃない。
甘えてきたり、ねだったり、弱みを見せてくれるのはきっと、俺だけに、だ。
他の奴には見せられない奥深いものを、俺だけには見せてくれているんだろう。
けれども今、ロエンをからかい笑うさかポンは頼もしくやんちゃでかっこよく、wくぇtぽうは『さかポンは弱い子だから俺が守ってやらないと』とうぬぼれていた自分を恥じた。
――俺、さかポンに騙されてるのかな?
堂々と人に言えない関係はふとしたことで不安が膨らむ。
――周りに女がいないから、俺なのか?
誰かに話を聞いて欲しいと、wくぇtぽうは強く思った。
全てを話し「好きだ」と言ってくれたさかポンの言葉は嘘じゃないと言って欲しい。
二人の仲を見てもらい「大丈夫」と言って欲しい。
好き過ぎて自分では冷静な判断ができない。

信じたいのだ。
俺は愛されていると。
信じたいのだ。
この先も、二人で生きていけると。

しかし、一度火がついた不安はおさまることを知らずwくぇtぽうを苦しめるのだった。


体の中で渦巻く様々な感情に耐え切れずwくぇtぽうは、楽しそうにじゃれ合う二人に背を向け去ろうとした。
「wくぇtぽう、どこ行くの?」
ロエンとの話に夢中で気付かないと思っていたさかポンに声をかけられ、wくぇtぽうは思わず泣いてしまいそうだった。
「水浴びをしに」
嬉しさを隠そうとしたため、出た言葉は予想外にそっけなく冷たいものとなった。
普段と違うwくぇtぽうに気付いたのだろうか、さかポンは「俺も行くー」と言ってwくぇtぽうに小走りで近寄った。
wくぇtぽうの隣に立ったさかポンは振り向き、手を振った。
「じゃあね、カエルくん。またね」
ロエンは大きな目をますます大きく見開き二人を交互に見て、
「は、はい。おゲンキで!」
心ここにあらずといった様子でそう答え、手を振り返した。
wくぇtぽうは振り向きもせずに無言で軽く手を上げ歩き出したが、数歩いったところで立ち止まった。
「ああ、そうだ。カエル! お前はオスか? メスか?」
ロエンは一瞬きょとんとしたものの、すぐに両手を口元にあて大きな声で返事をした。
「カエルだから両生類ですよー!」
答えを聞いてwくぇtぽうはつかつかとロエンに近寄り、左右の鈴のようなものをつかんだ。そして、
「答えになってねぇんだよっ!」
低い声でそう言うと、力をこめて鈴のようなものを握りつぶした。
「る゛ぇ゛あ゛ぇ゛……」
ロエンは声にならない悲鳴をあげ、その場に白目を向いて崩れ落ちる。
「ふんっ」
wくぇtぽうは倒れているロエンの体に足で砂をかけるとすっきりした様子で、郊外へと去っていった。
「ちょ! wくぇtぽう!? カ、カエルくん!?」
突然の出来事にどうすることもできずにいたさかポンはとりあえずロエンを抱き起こした。
「カエルくん! 大丈夫? カエルくん!」
「む゛ぇ゛ヰ゛ぇ゛……」

痛みに悶え苦しむロエンの頭上で、海賊旗が笑っていた。


つづく



次で最後ジャー!

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